ほら、てんが小路を横切って、こちらを見ているんだ。僕は叔父さんの馬車の荷台に乗って、稲刈りから帰るところだった。この後は、日が沈むまで地元の海水浴場で蛤を採りながら帰る。遠浅の砂浜で足の裏をひねると、蛤が足に当たる感触がある……。

 叔父さんの田んぼは、はげ山の斜面にあって、みんなで稲穂を担ぎ、坂道を登って公道まで運んだ。親戚総出で、従兄弟の茂あんちゃん、嘉秋兄、アッキイ姉も手伝ってくれた。背負子には山ほどの稲が詰め込まれていて、両手が締め付けられて、ぶらんぶらんとしたことを思い出す……。

 うちの父と叔母は兄妹で、家も20メートルほどしか離れていなかった。小さい頃はアッキイ姉にお守りをしてもらった。今は隣町に嫁いでいる。帰省した時には、結婚相手のマサキさんといつも飲み明かす。彼は〇〇商船に勤めていて、僕も港で仲士のアルバイトをしていたので、話が合ってとても楽しい飲み会になる。

 ……何を書き綴っているのだろう。作家にでもなろうか? いや、こういうのは息子のために残しておきたい。取り留めのない、つながりのない、ふと思ったことを……。一日毎にまったく違った光景を、詩的な雰囲気で書き綴ってみよう。